ご質問がありました。
要約すると、
PER15倍で年率15%の利益成長が見込める銘柄を保有している。
ただ、この銘柄が成長できるのはせいぜい5年程度で、それ以降の成長は見込めない。
年率15%成長×5年だと利益は約2倍になる計算だから、
5年後の利益水準から割り戻した現在PERは7.5倍程度となるが、
果たして割安といえるのか?
こんなコメントです。
PEGレシオの考えに従えば、PER15倍の年率15%成長なら、
まぁ、妥当な株価水準と言えますから、
じっと持っておけば、
年率15%程度の株価上昇+配当利回りが見込める有望株といえます。
けど、どう考えても5年以上の成長が見込めない・・・。
この部分が引っ掛かるようです。
まず一つ言えるのは、
逆に5年間もの成長が読める状況というのは、むしろ稀ということです。
多くの企業はそれよりもずっと手前までの成長しか読めない中で、
その読める成長期間中にその先に向かって手を打ち続ける必要があるのです。
そういう意味では、
5年間もの成長が見込める時点でそれほど心配は要らない
というのが一つの回答となります。
私の持っている成長企業の多くもそんな感じで、
実際、株主総会で
「2~3年は伸ばせられる見込みが立っているが、
その先に向けて今、仕込みをする必要がある」
と言っていた経営者もいます。
ただ、例えば、国内の再生可能エネルギー制度で伸びた太陽光関連株のように
市場規模が一定レベルに到達すると、
制度上、それ以上の国内成長はどうにも望めないタイプの企業も存在します。
そういう、制度上、期限があって、
天井が確実に止まることが分かっているような企業は
確かに目先は成長しているにも関わらず、
次第に株価の上昇は抑えられ、
PERが低下するということは十分に考えられます。
この場合は、次の一手は、かなりの飛躍が必要ですので、
市場はそのような飛躍に対して懐疑的となるのです。
そのような場合に、企業が取り得る戦略として、
それ以上の成長は見込めない前提で、
次第にコストを下げて、利益の最大化を狙い、
配当を大きくしていくケースがあります。
そうすると、年率15%と思い込んでいた利益成長が、
案外30%くらいまで拡大するかもしれませんし、
成長ではなく、配当利回りの観点から魅力的になりますので、
株価はかなりの上昇が見込めます。
5年目以降は、成長株ではなく、
安定配当株として、それなりの水準におさまることでしょう。
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